不思議なレッドリスト

 色付いたオオモミジやイチョウの葉々が、深まる秋を教えてくれています。

239A8166イチョウ2017・11・23トンボ王国あきついおエントランス 239A8143オオモミジ2017・11・23トンボ王国あきついおエントランス 239A8027リュウノウギク2017・11・20トンボ王国 239A8471スミレ2017・11・25トンボ王国
 学遊館前のイチョウ  オオモミジ        リュウノウギク    スミレも…

 昼下がり、トンボ王国の赤トンボたちは、陽だまりの落ち葉に止まって余生を過ごしています。

   239A8261ヒメアカネ♂2017・11・23トンボ王国  239A7896マユタテアカネ♂2017・11・16トンボ王国  239A8277アキアカネ♂2017・11・23トンボ王国
    ヒメアカネ♂        マユタテアカネ♂     アキアカネ♂

 去る11日と21日、四万十市周辺ではほとんど見られなくなっているミヤマアカネが、四万十川河川敷を流れる小流に姿を見せてくれました。実は2年前にも1♂が見つかっていた場所で、ひょっとすると、密かに生殖活動が行われているかもしれません。今後、要調査です。

   239A7844ミヤマアカネ♂2017・1115四万十市中村四万十町四万十川河川敷水路  239A7848ミヤマアカネ♂2017・1115四万十市中村四万十町四万十川河川敷水路  239A8117ミヤマアカネ♂2017・11・21四万十市中村四万十町四万十川河川敷水路
          11日のミヤマアカネ♂           21日の♂
   
 スナアカネ狙いで歩く、行きつけの海浜も寂しかったシーズンを終えようとしています。

   239A8231アキアカネ♂2017・11・23黒潮町大方入野  239A8218ウスバキトンボ♀2017・11・23黒潮町大方入野  239A8039トノサマバッタ交尾2017・11・20黒潮町大方入野
    アキアカネ♂       ウスバキトンボ♀     トノサマバッタ

 高知県では15年振りでレッドリストが改定されました。この間、四国中にベニトンボが居着くなど明らかに温暖化が進行、湿地化していた多くの放置田では草原化が顕著となり、カトリヤンマやミヤマアカネを育んでいた山間の棚田は深刻な人口減から周りの山林に飲み込まれ…。当然、新リストでは大幅な変動があると思っていたら、元々問題があったギンヤンマ、クロスジギンヤンマ、タカネトンボの3種が普通種だったということでリストから外され(ただし、少なくとも四万十市周辺では、北方種でもあるタカネトンボの減少傾向は明らかです)、なぜか5ヶ所ほど知られていた既知の産地全てで絶滅とされているハッチョウトンボがランクを一つ下げられていたほかは、すべての種が全く同じランクに据え置かれていました。まともに調査が行われていたようにも思えず、「前回同様、東部地方で少ないのでレッドリストに留める」とされていたコシボソヤンマやヒメサナエなどについて真実を確かめるべく24日、スタッフ1名と共に、片道3時間半ほどかけて安田町に出向きました。結果、全く土地勘のない場所かつ、適当に選んだ2地点それぞれ10分ほどのタモ網すくいにもかかわらず、リストアップされている種のうちヒメサナエ、オジロサナエ、コシボソヤンマの幼虫を複数見出すことができました(撮影後に戻しました)。

239A8307安田川2017・11・24安田町 239A8314ヤゴ各種2017・11・24安田町 239A8339安田川支流2017・11・24安田町 239A8348ヤゴ各種2017・11・24安田町
調査地点A  採集個体        調査地点B       採集個体 

   239A8359コシボソヤンマn-2幼虫2017・11・24安田町  239A8371ヒメサナエn-1齢幼虫17・11・24安田町  239A8375オジロサナエn-1~n-2齢幼虫17・11・24安田町
    コシボソヤンマ      ヒメサナエ オジロサナエ(いずれもB地点採集)

 世界的に生物多様性維持が喫緊の課題となっている今日、普通種がリストに含まれていることはともかく、今回のリストでは本当に保護が必要な種が外されていたり、低いランクに留められています。このようなリストによって、本当に守られるべきトンボ(生物)がないがしろにされる事態が起きた時、選定作業に関与した人たちはどのような責任を取ってくれるのでしょうか。

画像はすべて、クリックすると拡大します。


by 杉村光俊  at 10:33 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑
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イベント情報・お知らせ
トンボ王国のホームページはこちらからどうぞ
www.gakuyukan.com/

催しのご案内

第31回全日本トンボフォトコンテスト入賞作品展のご案内

場所:四万十川遊館あきついお多目的ホール(とんぼ館ロビー) 入場:無料(ただし四万十川遊館あきついお入場料が必要) 今回で31回を数える、トンボだけの全国公募写真展。去る10月19日開催の審査会で選ばれた58点を掲示。
併せて、ご見学の皆さんによる人気投票で選ばれたにトンボ王国特別賞3点の発表もしています。


ピラルクのエサやり
内容:全長2メートルのアマゾン川産ピラルクへの、スリル満点の給餌体験。
場所:四万十川学遊館あきついお・さかな館。
時間:開館日の午後4時~。
対象:入館者先着10名。
参加費:無料。ただし、「四万十川学遊館あきついお」の入館料が必要)。

毎日イベント・ビーズトンボ携帯ストラップ作り&四万十川の蛇紋岩みがき
内容:ビーズで作るトンボ・アクセサリーの携帯ストラップ版(簡素化したデザインで、所要時間約30分)と、磨くほどに輝きを増す四万十川の蛇紋岩みがき(所要時間約30分)。

日高村トンボ観察図鑑ができました
 この春、高知県日高村(高知市の西方、車で30分ほど)より、同村内でこれまでに記録されている73種類のトンボを紹介した標記ガイドブックが発行されました。本体A-5版160ページで、解説を本会の杉村光俊常務理事が担当したご縁で、本会でも販売させて頂いております。実寸大での生体標本画像と、和風の体色解説が大きな特徴です。
四万十川学遊館あきついお売店にて税込み1,000円で販売中、送料360円で郵送も承ります。日高村からの預かり部数は300弱、ご購入を希望される方はお早めお求め下さい。

『中国・四国のトンボ図鑑』 割引頒布について
トンボと自然を考える会の会員の方を対象に割引頒布を実施させて頂いております。
税込み価格3,675円のところ、あきついお四万十川学遊館・売店コーナーでは税込み価格3,150円でお分けさせて頂きます(ご購入の際には、必ず会員証をご提示下さい)。
また、宅配を希望される方は、税・送料込み3,400円とさせて頂きたく、必要額を本会郵便口座(01630-5-35218)にお振込み下さい。1週間ほどでお届けできます。

「ネーチャーフォト研究会」メンバー募集中
トンボと自然を考える会会員、または四万十川学遊館年間パスポート所有者を対象として、トンボ自然公園内で見られるトンボや花などの撮影案内、作品展示会(年1~2回)、研究会会員の撮影技術向上と親睦を深めることを目的とした勉強会等を行います。
撮影されたい動植物の時期や場所の問い合わせへの対応、撮影時のコツ等を職員がアドバイスさせていただきますので、多くの方々のご参加をお待ちしています。
お問い合わせは、トンボと自然を考える会事務局。

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プロフィール

杉村光俊

Author:杉村光俊
1955年高知県中村市(現四万十市)に生まれる。
1985年(社)トンボと自然を考える会常務理事
日本蜻蛉学会会員
トンボ生態写真家

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