普通が一番

 一昔前から考えると、今年の季節は1週間から10日ほど前倒しで推移しているようです。もちろん、一昔前も温暖化の影響は感じ始めていました。具体的には、1970年代では5月下旬からだったサラサヤンマの路上パトロールが、今シーズンは5月上旬から始まっています。セスジイトトンボも、羽化開始は早くても5月中旬からだったと記憶していますが、近年では4月下旬からになっているようです。温暖化による環境変化に適応できなくなった種類は分布域を変えていくことになるわけですが、多くの場合、絶滅への道をたどっているようです。当たり前のトンボが、当たり前の季節に、当たり前の数で発生してくれるかどうかを気にしなければならなくなった時代、この先もずっと続くのでしょうか。もっとも、いなくなって続かなくなる、ということもありえますが。

_Q4A4814ピンク・スイレン池2015・5・4トンボ王国 _Q4A4948サラサヤンマ♂なわばり飛翔2015・5・5トンボ王国 _Q4A4769セスジイトトンボ未熟♀2015・5・4トンボ王国 _Q4A5126モートンイトトンボ交尾2015・5・6トンボ王国
 スイレン池        サラサヤンマ♂    セスジイト未熟♀モートンイト交尾

_Q4A4793ベニイトトンボ未熟♂2015・5・4トンボ王国あきついおとんぼ館裏庭 _Q4A5060ベニイトトンボ♀羽化2015・5・5トンボ王国あきついお _Q4A5234コガクウツギ2015・5・6トンボ王国 _Q4A5200モノサシトンボ未熟♂&コガクウツギ2015・5・6トンボ王国
ベニイトトンボ未熟♂   同 未熟♀     コガクウツギ&モノサシトンボ未熟♂ 

   _Q4A5280コフキトンボ未熟♂2015・5・7  _Q4A5287ハラビロトンボ♂2015・5・7  _Q4A5386オオヤマトンボ産卵2015・5・8トンボ王国ロウ
    コフキトンボ未熟♂    ハラビロトンボ♂    オオヤマトンボ産卵

 花の方も前倒しで、早くもハナショウブが咲き始めました。今シーズンは人手が足りないため、トンボ王国のハナショウブは多くが雑草の中に埋もれたままです。その中から、つぼみが次々と伸びてきています。ただ、ここでのハナショウブ栽培の主目的は花を楽しむためではなく、乾燥に弱いイトトンボのシェルターとしてなので、私たちにとってはさほど大きな問題ではないのですが…

_Q4A5087ハナショウブ2015・5・6トンボ王国 _Q4A5175除草作業2015・5・6トンボ王国 _Q4A5181除草作業2015・5・6トンボ王国 _Q4A5175除草作業2015・5・6トンボ王国
開花したハナショウブ 雑草の中から伸びてきたつぼみ  遅れ気味の除草作業

 右手湿地保護区では、早春に移植したコウホネのおかげか水の透明度が増し、多くのイトトトンボが集まっています。下流から避難してきたカキツバタも、ここで増殖を始めているようです。

   _Q4A5424湿地保護区2015・5・8  _Q4A5420アサザ2015・5・8  _Q4A5429オオイトトンボ交尾2015・5・8
    コウホネ          アサザ           オオイトトンボ交尾

   _Q4A5430キイトトンボ未熟♂2015・5・8  _Q4A5421シオヤトンボ♂2015・5・8  _Q4A4943湿地保護区のカキツバタ2015・5・5トンボ王国
    キイトトンボ未熟♂    シオヤトンボ♂    避難してきたカキツバタ

 2年続きの初夏渇水で、存続が危ぶまれていた四万十川トンボ池のアオイトトンボ。今シーズンは適度の降雨に恵まれ、5月4日より順調な羽化が続いています。これも以前に比べると2週間ほど早い羽化開始です。

   _Q4A5137アオイトトンボ♂羽化2015・5・6四万十市中村四万十町四万十川トンボ池  _Q4A5149アオイトトンボ♂羽化2015・5・6四万十市中村四万十町四万十川トンボ池  _Q4A4932ホソミオツネントンボ連結産卵2015・5・5四万十市中村四万十町四万十川トンボ池
           アオイトトンボ♂羽化     ホソミオツネントンボ連結産卵
   
 そうなると次に気になるのは、四万十川のヒメサナエ。こちらも早々に羽化が始まっていたらしく、もはや終盤の様相。以前は20日を過ぎてから通っていました。もっとも、昨夏の増水で付近の地形が大きく様変わりしていることもあり、羽化が見られたことを先ず喜ぶべきなのかもしれません。

   _Q4A5320ヒメサナエ♀羽化2015・5・8佐田四万十川  _Q4A5327ヒメサナエ♀羽化2015・5・8佐田四万十川  _Q4A5344ヒメサナエ♀羽化2015・5・8佐田四万十川
                   ヒメサナエ♀羽化

画像はすべて、クリックすると拡大します。



   

by 杉村光俊  at 17:05 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑
Comments
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する

イベント情報・お知らせ
トンボ王国のホームページはこちらからどうぞ
www.gakuyukan.com/

催しのご案内

第31回全日本トンボフォトコンテスト入賞作品展のご案内

期間:平成29年11月1日(水)~11月30日(木) 場所:四万十川遊館あきついお多目的ホール(とんぼ館ロビー) 入場:無料(ただし四万十川遊館あきついお入場料が必要) 今回で31回を数える、トンボだけの全国公募写真展。去る10月19日開催の審査会で選ばれた58点を掲示。
審査員のみならず、より多くの人たちから高い評価を得た作品についても表彰させて頂きたいと考え、当初よりご見学の皆さんに人気投票をお願いし、得票数の高い作品3点にトンボ王国特別賞をお贈りしています。ご協力のほど、よろしくお願い致します。
なお、投票の御礼として、トンボ王国オリジナルグッズが当るスピードくじをご用意させて頂いておりますので、こちらの方もお忘れなく。

ピラルクのエサやり
内容:全長2メートルのアマゾン川産ピラルクへの、スリル満点の給餌体験。
場所:四万十川学遊館あきついお・さかな館。
時間:開館日の午後4時~。
対象:入館者先着10名。
参加費:無料。ただし、「四万十川学遊館あきついお」の入館料が必要)。

毎日イベント・ビーズトンボ携帯ストラップ作り&四万十川の蛇紋岩みがき
内容:ビーズで作るトンボ・アクセサリーの携帯ストラップ版(簡素化したデザインで、所要時間約30分)と、磨くほどに輝きを増す四万十川の蛇紋岩みがき(所要時間約30分)。

日高村トンボ観察図鑑ができました
 この春、高知県日高村(高知市の西方、車で30分ほど)より、同村内でこれまでに記録されている73種類のトンボを紹介した標記ガイドブックが発行されました。本体A-5版160ページで、解説を本会の杉村光俊常務理事が担当したご縁で、本会でも販売させて頂いております。実寸大での生体標本画像と、和風の体色解説が大きな特徴です。
四万十川学遊館あきついお売店にて税込み1,000円で販売中、送料360円で郵送も承ります。日高村からの預かり部数は300弱、ご購入を希望される方はお早めお求め下さい。

『中国・四国のトンボ図鑑』 割引頒布について
トンボと自然を考える会の会員の方を対象に割引頒布を実施させて頂いております。
税込み価格3,675円のところ、あきついお四万十川学遊館・売店コーナーでは税込み価格3,150円でお分けさせて頂きます(ご購入の際には、必ず会員証をご提示下さい)。
また、宅配を希望される方は、税・送料込み3,400円とさせて頂きたく、必要額を本会郵便口座(01630-5-35218)にお振込み下さい。1週間ほどでお届けできます。

「ネーチャーフォト研究会」メンバー募集中
トンボと自然を考える会会員、または四万十川学遊館年間パスポート所有者を対象として、トンボ自然公園内で見られるトンボや花などの撮影案内、作品展示会(年1~2回)、研究会会員の撮影技術向上と親睦を深めることを目的とした勉強会等を行います。
撮影されたい動植物の時期や場所の問い合わせへの対応、撮影時のコツ等を職員がアドバイスさせていただきますので、多くの方々のご参加をお待ちしています。
お問い合わせは、トンボと自然を考える会事務局。

カテゴリー
検索フォーム
リンク
このブログをリンクに追加する
プロフィール

杉村光俊

Author:杉村光俊
1955年高知県中村市(現四万十市)に生まれる。
1985年(社)トンボと自然を考える会常務理事
日本蜻蛉学会会員
トンボ生態写真家

最近の記事
月別アーカイブ
最近のコメント
RSSフィード