非常事態

 世の中はゴールデンウイーク真っ最中。
トンボ王国でも季節の花々が咲きそろう中、早くも春と初夏のトンボ20種余りが飛び交っています。

_Q4A4625カキツバタ(中間色)2015・5・2トンボ王国 _Q4A4661ヒメコウホネ2015・5・2トンボ王国 _Q4A4173ヒトツバタゴ2015・4・28トンボ王国 _Q4A4171ヒトツバタゴ2015・4・28トンボ王国
 カキツバタ        ヒメコウホネ        ヒトツバタゴ

   _Q4A4597ナガサキアゲハ&ノアザミ2015・5・2トンボ王国  _Q4A4603シオヤトンボ♂&白スイレン2015・5・2トンボ王国  _Q4A4654タベサナエ♂&キショウブ2015・5・2トンボ王国
ナガサキアゲハ&ノアザミ シオヤトンボ&白スイレン タベサナエ&キショウブ

_Q4A4416タベサナエ交尾2015・5・1トンボ王国 _Q4A4221コフキヒメイトトンボ未熟♂2015・4・29トンボ王国 _Q4A4154コフキヒメイトトンボ未熟♀2015・4・28トンボ王国 _Q4A4451モノサシトンボ未熟♂2015・5・1トンボ王国
タベサナエ交尾  コフキヒメイトトンボ未熟♂ 同 未熟♀ モノサシトンボ未熟♂

   _Q4A4424ヨツボシトンボ産卵2015・5・1トンボ王国  _Q4A4426ヨツボシトンボ♂産卵警護2015・5・1トンボ王国ロウ  _Q4A4427トラフトンボ♂2015・5・1トンボ王国
    ヨツボシトンボ産卵    同 ♂産卵警護      トラフトンボ♂

   _Q4A4589セスジイトトンボ未熟♂2015・5・2トンボ王国  _Q4A4611ショウジョウトンボ♂2015・5・2トンボ王国  _Q4A4439サラサヤンマ♂2015・5・1トンボ王国
   セスジイトトンボ未熟♂  ショウジョウトンボ♂    サラサヤンマ♂

トンボ王国作りが始まった30年前、周辺にはまだ、ここに勝るとも劣らない自然環境が随所にありました。保護区であることを知らず、トンボを捕る気満々でやってきたご家族連れには、保護区整備に携わっている「トンボと自然を考える会」にご入会願うことを前提に、そのような場所をご案内させて頂いていました。もちろん、このことは今も続けていますが、代替地の減少は否めません。
最も変わったのは、来訪者の数です。著名な学習帳の表紙からも昆虫の姿が消えてしまうほどの「子どもたちの虫離れ、生きもの離れ」を物語るように、世の中がゴールデンウイーク入りしてからも、トンボ王国ではゆったりとした時間が流れています。ポツポツと保護区を散策される人たちは、思いがけず「本来の休暇」を満喫されているのかもしれません。
 
 そんな中、自然界はますますのっぴきならない状況に陥っているようです。この時期、各地からムカシトンボの撮影を主目的に来訪される会員さんのため、周辺の渓流をご案内しているのですが、今年はどこも個体数少なく、ついにただの一度も「なわばり争い」を見ることができませんでした。一昨年の渇水の影響とすれば、アサヒナカワトンボが例年並に見られることの説明がつきません。そのまま飲料に利用できるほどの清流でしか生きられないムカシトンボのみの減少は、水質の悪化が疑われます。だとすれば、山間地における一次産業の衰退に加え、温暖化に起因する小雨期の長期化などが原因であることは間違いないでしょう。

7Q4A4699ムカシトンボ生息地2015・5・2四万十市竹屋敷掃除谷 _Q4A4691ムカシトンボ♂なわばり飛翔2015・5・2四万十市竹屋敷掃除谷 _Q4A4516アサヒナカワトンボ透明翅型♂探雌パトロール2015・5・1四万十市竹屋敷掃除谷 _Q4A4529アサヒナカワトンボ連結2015・5・1四万十市竹屋敷掃除谷
四万十市竹屋敷 ムカシトンボ♂ アサヒナカワトンボ透明翅♂  同 連結

 実は、子どもたちの生きもの離れ対策として、トンボを守ることは、私たち生物としての人類にとっても健康的な住環境を守ることにつながるということを、しばしば依頼される自然体験メニューにも積極的取り入れようと準備していたところで、ムカシトンボはその要と考えていました。近々発生するとされている東南海大地震への備えとして、先発するとされる東海大地震の規模によっては、四国地方の救援が十分できないかもしれないとの予測が出回る中、平地の少ない高知県では山深い場所まで田畑が開墾されていて、結果的に日当たりがいい、すなわちムカシトンボが暮らせる谷川が随所に存在するところとなり、そのような場所を確認しておけば、いざというとき(自衛隊が飲料水を運んで来られない時など)にも慌てる必要はない、という論法をと考えていたわけですが…
甚だ不本意的ながら、観光地としてのみ扱われることが多い今のトンボ王国。子どもたちを始め、多くの人々に生きものの存在を好意的な捉えてもらうことが難しくなった現在、楽しさ以上に、多くの専門家から日本一のトンボ保護区とのお墨付きを頂戴した、生物多様性の豊かさやその維持管理を見て頂くという、本来の活動目的をより鮮明に発信していかねばなりません。
なお、高知県を訪れる観光客は、「豊かな自然の満喫」が大きな目的のようですが、そこに「生きものふれあい」も入るようになるといいのですが…

画像はすべて、クリックすると拡大します。
by 杉村光俊  at 13:16 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑
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イベント情報・お知らせ
トンボ王国のホームページはこちらからどうぞ
www.gakuyukan.com/

催しのご案内

第31回全日本トンボフォトコンテスト作品募集のお知らせ
閉め切り
平成29年9月30日(土)消印有効
募集要項
応募点数:1人5点まで(未発表作品に限ります)
生態部門:4切り(ワイド4切りまたはA3サイズ可)
金賞1点(賞金2万円、盾、賞状、賞品としてビーズリアルトンボセット〈特大〉ほか)
銀賞2点(賞金1万円、盾、賞状、賞品としてビーズリアルトンボセット〈中〉ほか)
銅賞5点(賞状、賞品としてビーズリアルトンボセット〈小〉ほか)
努力賞50点(賞品としてフォトコンテスト絵葉書ほか)
力だめし部門:キャビネ (2L またはA4サイズ可)
金賞1点(賞金5千円、盾、賞状、賞品としてビーズリアルトンボセット〈中〉ほか)
銀賞3点(賞品としてビーズトンボ・ギンヤンマ)
努力賞50点(賞品としてフォトコンテスト絵葉書ほか)
トンボ王国特別賞3点(盾、賞状、賞品としてビーズリアルトンボセット〈小〉ほか)
*展示作品58点(生体部門のみ)の中から入場者の人気投票で決定
通信実費として定額為替(切手可)を1人300円同封してください。
上位入賞者については、画像データの提供をお願いします(新聞掲載のため)。 詳細の問い合わせと作品の送付先:〒787-0019
高知県四万十市具同8055-5
トンボ自然公園内
公益社団法人トンボと自然を考える会 「トンボフォトコンテスト」係

ピラルクのエサやり
内容:全長2メートルのアマゾン川産ピラルクへの、スリル満点の給餌体験。
場所:四万十川学遊館あきついお・さかな館。
時間:開館日の午後4時~。
対象:入館者先着10名。
参加費:無料。ただし、「四万十川学遊館あきついお」の入館料が必要)。

毎日イベント・ビーズトンボ携帯ストラップ作り&四万十川の蛇紋岩みがき
内容:ビーズで作るトンボ・アクセサリーの携帯ストラップ版(簡素化したデザインで、所要時間約30分)と、磨くほどに輝きを増す四万十川の蛇紋岩みがき(所要時間約30分)。

日高村トンボ観察図鑑ができました
 この春、高知県日高村(高知市の西方、車で30分ほど)より、同村内でこれまでに記録されている73種類のトンボを紹介した標記ガイドブックが発行されました。本体A-5版160ページで、解説を本会の杉村光俊常務理事が担当したご縁で、本会でも販売させて頂いております。実寸大での生体標本画像と、和風の体色解説が大きな特徴です。
四万十川学遊館あきついお売店にて税込み1,000円で販売中、送料360円で郵送も承ります。日高村からの預かり部数は300弱、ご購入を希望される方はお早めお求め下さい。

『中国・四国のトンボ図鑑』 割引頒布について
トンボと自然を考える会の会員の方を対象に割引頒布を実施させて頂いております。
税込み価格3,675円のところ、あきついお四万十川学遊館・売店コーナーでは税込み価格3,150円でお分けさせて頂きます(ご購入の際には、必ず会員証をご提示下さい)。
また、宅配を希望される方は、税・送料込み3,400円とさせて頂きたく、必要額を本会郵便口座(01630-5-35218)にお振込み下さい。1週間ほどでお届けできます。

「ネーチャーフォト研究会」メンバー募集中
トンボと自然を考える会会員、または四万十川学遊館年間パスポート所有者を対象として、トンボ自然公園内で見られるトンボや花などの撮影案内、作品展示会(年1~2回)、研究会会員の撮影技術向上と親睦を深めることを目的とした勉強会等を行います。
撮影されたい動植物の時期や場所の問い合わせへの対応、撮影時のコツ等を職員がアドバイスさせていただきますので、多くの方々のご参加をお待ちしています。
お問い合わせは、トンボと自然を考える会事務局。

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プロフィール

杉村光俊

Author:杉村光俊
1955年高知県中村市(現四万十市)に生まれる。
1985年(社)トンボと自然を考える会常務理事
日本蜻蛉学会会員
トンボ生態写真家

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