一念岩をも通す?

 ハナショウブが目立ち始めたトンボ王国。春のトンボの勢いは失せ、夏のトンボの動きが活発になってきました。

_Q4A7147ハナショウブ2015・5・24 _Q4A7274ハナショウブ2015・5・24 _Q4A6670ハナショウブ&ハラビロ♂2015・5・20 _Q4A6600園芸スイレン&オオイト♂2015・5・19
        ハナショウブ     &ハラビロトンボ♂ 園芸スイレン&オオイト♂

_Q4A6684サラサヤンマ♂2015・5・20 _Q4A6698サラサヤンマ♂2015・5・20 _Q4A6683サラサヤンマ産卵2015・5・20 _Q4A6733セスジイト産卵2015・5・20
       サラサヤンマ♂探雌飛翔       同 産卵  セスジイト潜水産卵

   _Q4A7131コフキトンボ産卵2015・5・22  _Q4A6673モノサシトンボ交尾2015・5・20  _Q4A6583ヨツボシ♂2015・5・19
    コフキトンボ産卵     モノサシトンボ交尾   ヨツボシトンボ♂

_Q4A7144タベサナエ老熟♀2015・5・22 _Q4A7289キイトトンボ未熟♂2015・5・24 _Q4A7284フナバラソウ2015・5・24 _Q4A7280ササユリ2015・5・24 
 タベサナエ老熟♀  とんぼ館ビオトープのキイトトンボ・フナバラソウ・ササユリ

 さて去る17日、高知県内で撮影できなかったフタスジサナエを求め愛媛県大洲市に。イトトンボ類が異様に少なく感じた水辺で3頭+αの♂を見つけ、どうにか証拠写真を撮ることができましたが、産卵狙いの♀は全く姿を見せてくれませんでした。

   _Q4A6383フタスジ生息地  _Q4A6372フタスジ♂  _Q4A6382クロスジギン♂
   大洲市某所のため池   フタスジサナエ♂     クロスジギンヤンマ♂

 21日は環境省の許可も得て、大分県某所のベッコウトンボ生息地へ。本来の目的は、近年同所で増加中のヨツボシトンボとの交雑個体確保。ベッコウトンボ生息地でのヨツボシトンボ増加は水域の富栄養化が原因と考えられます。同所ではベッコウトンボ保護のため定期的な除草作業は行われているとのことですが、その手法は旧態依然で、ベッコウトンボのみならず、多くのトンボ類にとっても生息環境が悪化しているようです。件の交雑トンボ出現は、ベッコウトンボ同士の純粋な生殖活動に悪影響が出ていることの証でもあり、同所では昨年始めて1♂が確認されています。とはいえ、雑種のトンボなどそうやすやすと見付かるものではありません。とりあえず、手許にデジカメ画像のないベッコウトンボの交尾と産卵を狙っていたところ、ふいに件の交雑トンボが姿を現しました。喜ぶべきか、悲しむべきか…
と、そこにフタスジサナエの♀が飛来、思いがけず産卵シーンが撮れました。ただし、卵の落下までは撮り切れませんでしたが…

   _Q4A6949ベッコウトンボ生息地2015・5・21  _Q4A6911ベッコウトンボ♂2015・5・21  _Q4A6829ベッコウトンボ♂2015・5・21
    大分県某所                ベッコウトンボ♂

   _Q4A6932ベッコウトンボ♂争い2015・5・21  _Q4A6824ベッコウトンボ交尾2015・5・21  _Q4A6945ベッコウトンボ産卵2015・5・21
   ベッコウトンボ♂争い    同 交尾         同 産卵

   _Q4A6850ベッコウトンボ×ヨツボシ♂2015・5・21  _Q4A6938フタスジ産卵015・5・21  _Q4A6782ベッコウトンボ♀2015・5・21
    交雑トンボ♂       フタスジサナエ産卵    ベッコウトンボ♀

 当初の目的達成に気を良くして、次は近くのムカシヤンマ生息地に。ここも雑木の生長による環境の変化と、温暖化に起因する気候変動などでトンボ類は激減中です。どうにか、まだ絶滅はしていないことの証拠写真を抑えたところに、ヒメクロサナエの♀がやってきました。しかも、ここ10年ほど狙っていた産卵行動を始めました。もちろん、デジカメ画像は未入手です。はやる気持ちを抑えつつ撮影モードを整え、レンズを向け始めたところで無情にも産卵終了。産卵後の休憩シーンしか撮れませんでした。

_Q4A6965ムカシヤンマ生息地2015・5・21 _Q4A6970ムカシヤンマ♂2015・5・21 _Q4A6963ムカシヤンマ♂2015・5・21 _Q4A6977ヒメクロ♀2015・5・21
ムカシヤンマ生息地      ムカシヤンマ♂         ヒメクロサナエ♀

 その後、フェリー乗り場近くの谷川でアサヒナカワトンボを撮って、九州を後にしました。
   
   _Q4A6979アサヒナカワ茶翅生息地2015・5・21  _Q4A7048アサヒナカワ茶翅♂2015・5・21  _Q4A7009アサヒナカワ茶翅交尾2015・5・21
    大分市内の渓流        アサヒナカワトンボ褐色翅型♂&交尾
   
 翌22日、大分県のリベンジでヒメクロサナエ産卵狙いで梼原町に。このところの少雨で、産卵ポイントの小流はあちこちで瀬切れしていました。そこで、堆積していた落ち葉や枯れ枝を撤去したところ、幸い小さな流れが復活しました。すると、まるで待ちかねていたかのように1頭のヒメクロサナエ♀がやってきて産卵を初めてくれたのです。グッドタイミングでした。この調子で、次はアオヤンマの産卵が撮れるといいのですが…。なお、ここではムカシトンボも健在のようでした。

_Q4A7096ヒメクロ産卵場所2015・5・22 _Q4A7088ヒメクロサナエ産卵2015・5・22 _Q4A7052ムカシトンボ卵2015・5・22 _Q4A7061アサヒナカワ橙♂2015・5・22
梼原町内  ヒメクロサナエ産卵   ムカシトンボの卵  アサヒナカワ橙色翅♂

_Q4A7129クロサナエ♂2015・5・22 _Q4A7102モンシロチョウ2015・5・22 _Q4A7068ダイミョウセセリ2015・5・22 _Q4A7066キンイロジョウカイ2015・5・22
クロサナエ♂     モンシロチョウ ダイミョウセセリ    キンイロジョウカイ

 小形のサナエトンボを追いかけているうち、待望のミナミヤンマ・シーズンがやってきました。

   _Q4A7525ミナミヤンマ♂羽化52015・5・24  _Q4A7522ミナミヤンマ♂羽化52015・5・24  _Q4A734ミナミヤンマ濃条翅♀2015・5・24
            ミナミヤンマ♂羽化           同 濃条翅型♀   

 シコクトゲオもすでに繁殖期です。

_Q4A7326シコクトゲオ♂2015・5・24 _Q4A7303シコクトゲオ交尾2015・5・24 _Q4A7322シコクトゲオトンボ遊離性静止産卵2015・5・24 _Q4A7335シコトゲ産卵2015
シコクトゲオトンボ♂   同 交尾             同 産卵

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by 杉村光俊  at 18:10 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

小形サナエを求めて

 人手不足から、草刈作業もままならないトンボ王国。その一方でハナショウブは次々と開花しています。

_Q4A5731ハナショウブ2015・5・11トンボ王国 _Q4A5730ハナショウブ2015・5・11トンボ王国 _Q4A5726ハナショウブ2015・5・11トンボ王国 _Q4A6144ハナショウブ2015・5・15トンボ王国 
               次々と開花するハナショウブ

 モノサシトンボの数も増え、サラサヤンマは木陰でパトロールするようになってきました。

_Q4A5907モノサシトンボ羽化直後♀2015・5・13トンボ王国 _Q4A6138サラサヤンマ保護区2015・5・15トンボ王国 _Q4A6137サラサヤンマ♂2015・5・15トンボ王国 _Q4A6154キシタエダシャク2015・5・15トンボ王国
モノサシ未熟♀   サラサヤンマ池と探雌飛翔中の♂    キシタエダシャク

 一昨年夏の渇水によると思われる個体数の減少と前倒しの気候から、今シーズンの撮影はもはや不可能か…と思われていたトラフトンボの産卵行動でしたが、どうにか押さえることができました。来シーズンの増加を期待したいところです。

_Q4A6004トラフトンボ交尾2015・5・14トンボ王国トリミング _Q4A6017トラフトンボ産卵2015・5・14トンボ王国 _Q4A6020トラフトンボ産卵2015・5・14トンボ王国-トリミング _Q4A6022トラフトンボ産卵2015・5・14トンボ王国トリミング _Q4A6024トラフトンボ産卵2015・5・14トンボ王国トリミング
                  トラフトンボの産卵行動

 よりよい保護区作りのために、トンボ王国外のトンボ生息地観察もおろそかにはできません。5月中旬は小形サナエの観察適期でもあります。というわけで先日、昨秋から島根県人として活動されているK山さんからのお誘いを受け、コサナエとオグマサナエの生息環境を見に行ってきました。数ヶ所の池で両種を見ることができましたが、かつてコバネアオイトトンボが多産していたというB池は、コーヒー色とまではいきませんがココア色の水面が広がり、まだこれらのトンボが生息し続けていることが不思議なくらいでした。同地で永く自然観察を続けられているO浜さん(ちっとも省略表現になっていませんが…)のお話しでは、ここでもトンボ王国同様、池上流部の水田が放棄されて以降、急速に生態系の劣化が進んだとのことでした。

_Q4A5509コサナエ生息地2015・5・10島根県松江市 _Q4A5539コサナエ♂2015・5・10島根県松江市 _Q4A5553コ産卵サナエ♀2015・5・10島根県松江市 _Q4A5552コサナエ産卵2015・5・10島根県松江市
 松江市A池        コサナエ♂                 同 産卵

   _Q4A5604オグマサナエ生息地2015・5・10島根県松江市  _Q4A5605オグマサナエ♂捕食(羽化直後クロイトトンボ♀)2015・5・10島根県松江市   _Q4A5588オグマサナエ♀2015・5・10島根県松江市
    松江市B池        オグマサナエ♂捕食    同 老熟♀

 午後から、近くのニホンカワトンボ生息地も回りましたが、他の地方なら大抵セットで生息しているミヤマカワトンボやダビドサナエの姿が見られなかったのが一寸不思議でした。タイミングの問題だったかもしれませんが…

_Q4A5631ニホンカワトンボ橙色翅型♂2015・5・10島根県松江市 _Q4A5635ニホンカワトンボ透明翅型♂2015・5・10島根県松江市 _Q4A5638ニホンカワトンボ淡橙色翅型♀2015・5・10島根県松江市 _Q4A5625ニホンカワトンボ透明翅型♀産卵2015・5・10島根県松江市
ニホンカワ橙色翅♂  同 無色透明翅♂  淡橙色翅♀   無色透明翅♀産卵

 続いて、渓流性サナエもということで四万十町にある、いつもの渓流を回ってみました。年々減っていたミヤマカワトンボの姿はなく、多産していたアサヒナカワトンボの姿も二桁確認するのがやっとの状況、ムカシトンボは辛うじて1オスが確認できたものの、肝心のサナエはダビドサナエ1メスとヒメサナエ未熟1メスのみ、クロもヒメクロも気配すら感じられませんでした。どうやら、渓流域の生態系劣化は四万十市だけではなく、もっと広範囲で起きている現象のようです。仕方ないので、近くのグンバイトンボ生息地に足を伸ばし、明らかに植生が劣化した水辺で少数個体による生殖活動を撮影してきました。

_Q4A5668トサシモツケ2015・5・11四万十町大正大奈路中ノ島 _Q4A5671グンバイトンボ生息地2015・5・11四万十町大正大奈路中ノ島 _Q4A5677グンバイトンボ連結産卵2015・5・11四万十町大正大奈路中ノ島 _Q4A5698グンバイトンボ連結産卵2015・5・11四万十町大正大奈路中ノ島
梼原川のトサシモツケ 中ノ島公園      グンバイトンボ連結産卵

 ならば、昨シーズンに確認できなかった日高村のフタスジサナエは?ということで出掛けてみました。早春の調査で明らかになった、コオイイムシなど水生半翅の激減を裏付けるかのようにトンボ類の減少も明白、絶好の調査日和にも関わらず、1時間の間にフタスジサナエの姿を見出すことは叶いませんでした。唯一トラフトンボは微増が感じられ、本来フタスジサナエがいるべき場所にはなぜかヤマサナエが陣取っていました。2ヶ所の調整池で、オオイトトンボの健在が確認できたことだけが救いといえば救いかもしれません。
   _Q4A5823ヨツボシトンボ♀2015・5・13日高村鹿児日下川調整池  _Q4A5819ヨツボシトンボ♀2015・5・13日高村鹿児日下川調整池  _Q4A5808ヤマサナエ♂2015・5・13日高村鹿児日下川調整池
       日下川調整池のヨツボシトンボ♀        ヤマサナエ♂

   _Q4A5830オオイトトンボ♂2015・5・13日高村  _Q4A5828オオイトトンボ♂2015・5・13日高村  _Q4A5834シオヤトンボ♂2015・5・13日高村
        戸梶川調整池のオオイトトンボ♂     渋川トンボ公園のシオヤ♂

 広範囲での昆虫類激減は、もう間違いありません。いずれ、この影響は野鳥や野生の虫媒花などにも及んでくることでしょう。そうさせないための対応策もほぼ分かっているのですが、これをどのようにして現代人の関心事にさせるのか、とういことが目下の大きな課題です。

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by 杉村光俊  at 11:41 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

普通が一番

 一昔前から考えると、今年の季節は1週間から10日ほど前倒しで推移しているようです。もちろん、一昔前も温暖化の影響は感じ始めていました。具体的には、1970年代では5月下旬からだったサラサヤンマの路上パトロールが、今シーズンは5月上旬から始まっています。セスジイトトンボも、羽化開始は早くても5月中旬からだったと記憶していますが、近年では4月下旬からになっているようです。温暖化による環境変化に適応できなくなった種類は分布域を変えていくことになるわけですが、多くの場合、絶滅への道をたどっているようです。当たり前のトンボが、当たり前の季節に、当たり前の数で発生してくれるかどうかを気にしなければならなくなった時代、この先もずっと続くのでしょうか。もっとも、いなくなって続かなくなる、ということもありえますが。

_Q4A4814ピンク・スイレン池2015・5・4トンボ王国 _Q4A4948サラサヤンマ♂なわばり飛翔2015・5・5トンボ王国 _Q4A4769セスジイトトンボ未熟♀2015・5・4トンボ王国 _Q4A5126モートンイトトンボ交尾2015・5・6トンボ王国
 スイレン池        サラサヤンマ♂    セスジイト未熟♀モートンイト交尾

_Q4A4793ベニイトトンボ未熟♂2015・5・4トンボ王国あきついおとんぼ館裏庭 _Q4A5060ベニイトトンボ♀羽化2015・5・5トンボ王国あきついお _Q4A5234コガクウツギ2015・5・6トンボ王国 _Q4A5200モノサシトンボ未熟♂&コガクウツギ2015・5・6トンボ王国
ベニイトトンボ未熟♂   同 未熟♀     コガクウツギ&モノサシトンボ未熟♂ 

   _Q4A5280コフキトンボ未熟♂2015・5・7  _Q4A5287ハラビロトンボ♂2015・5・7  _Q4A5386オオヤマトンボ産卵2015・5・8トンボ王国ロウ
    コフキトンボ未熟♂    ハラビロトンボ♂    オオヤマトンボ産卵

 花の方も前倒しで、早くもハナショウブが咲き始めました。今シーズンは人手が足りないため、トンボ王国のハナショウブは多くが雑草の中に埋もれたままです。その中から、つぼみが次々と伸びてきています。ただ、ここでのハナショウブ栽培の主目的は花を楽しむためではなく、乾燥に弱いイトトンボのシェルターとしてなので、私たちにとってはさほど大きな問題ではないのですが…

_Q4A5087ハナショウブ2015・5・6トンボ王国 _Q4A5175除草作業2015・5・6トンボ王国 _Q4A5181除草作業2015・5・6トンボ王国 _Q4A5175除草作業2015・5・6トンボ王国
開花したハナショウブ 雑草の中から伸びてきたつぼみ  遅れ気味の除草作業

 右手湿地保護区では、早春に移植したコウホネのおかげか水の透明度が増し、多くのイトトトンボが集まっています。下流から避難してきたカキツバタも、ここで増殖を始めているようです。

   _Q4A5424湿地保護区2015・5・8  _Q4A5420アサザ2015・5・8  _Q4A5429オオイトトンボ交尾2015・5・8
    コウホネ          アサザ           オオイトトンボ交尾

   _Q4A5430キイトトンボ未熟♂2015・5・8  _Q4A5421シオヤトンボ♂2015・5・8  _Q4A4943湿地保護区のカキツバタ2015・5・5トンボ王国
    キイトトンボ未熟♂    シオヤトンボ♂    避難してきたカキツバタ

 2年続きの初夏渇水で、存続が危ぶまれていた四万十川トンボ池のアオイトトンボ。今シーズンは適度の降雨に恵まれ、5月4日より順調な羽化が続いています。これも以前に比べると2週間ほど早い羽化開始です。

   _Q4A5137アオイトトンボ♂羽化2015・5・6四万十市中村四万十町四万十川トンボ池  _Q4A5149アオイトトンボ♂羽化2015・5・6四万十市中村四万十町四万十川トンボ池  _Q4A4932ホソミオツネントンボ連結産卵2015・5・5四万十市中村四万十町四万十川トンボ池
           アオイトトンボ♂羽化     ホソミオツネントンボ連結産卵
   
 そうなると次に気になるのは、四万十川のヒメサナエ。こちらも早々に羽化が始まっていたらしく、もはや終盤の様相。以前は20日を過ぎてから通っていました。もっとも、昨夏の増水で付近の地形が大きく様変わりしていることもあり、羽化が見られたことを先ず喜ぶべきなのかもしれません。

   _Q4A5320ヒメサナエ♀羽化2015・5・8佐田四万十川  _Q4A5327ヒメサナエ♀羽化2015・5・8佐田四万十川  _Q4A5344ヒメサナエ♀羽化2015・5・8佐田四万十川
                   ヒメサナエ♀羽化

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by 杉村光俊  at 17:05 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

非常事態

 世の中はゴールデンウイーク真っ最中。
トンボ王国でも季節の花々が咲きそろう中、早くも春と初夏のトンボ20種余りが飛び交っています。

_Q4A4625カキツバタ(中間色)2015・5・2トンボ王国 _Q4A4661ヒメコウホネ2015・5・2トンボ王国 _Q4A4173ヒトツバタゴ2015・4・28トンボ王国 _Q4A4171ヒトツバタゴ2015・4・28トンボ王国
 カキツバタ        ヒメコウホネ        ヒトツバタゴ

   _Q4A4597ナガサキアゲハ&ノアザミ2015・5・2トンボ王国  _Q4A4603シオヤトンボ♂&白スイレン2015・5・2トンボ王国  _Q4A4654タベサナエ♂&キショウブ2015・5・2トンボ王国
ナガサキアゲハ&ノアザミ シオヤトンボ&白スイレン タベサナエ&キショウブ

_Q4A4416タベサナエ交尾2015・5・1トンボ王国 _Q4A4221コフキヒメイトトンボ未熟♂2015・4・29トンボ王国 _Q4A4154コフキヒメイトトンボ未熟♀2015・4・28トンボ王国 _Q4A4451モノサシトンボ未熟♂2015・5・1トンボ王国
タベサナエ交尾  コフキヒメイトトンボ未熟♂ 同 未熟♀ モノサシトンボ未熟♂

   _Q4A4424ヨツボシトンボ産卵2015・5・1トンボ王国  _Q4A4426ヨツボシトンボ♂産卵警護2015・5・1トンボ王国ロウ  _Q4A4427トラフトンボ♂2015・5・1トンボ王国
    ヨツボシトンボ産卵    同 ♂産卵警護      トラフトンボ♂

   _Q4A4589セスジイトトンボ未熟♂2015・5・2トンボ王国  _Q4A4611ショウジョウトンボ♂2015・5・2トンボ王国  _Q4A4439サラサヤンマ♂2015・5・1トンボ王国
   セスジイトトンボ未熟♂  ショウジョウトンボ♂    サラサヤンマ♂

トンボ王国作りが始まった30年前、周辺にはまだ、ここに勝るとも劣らない自然環境が随所にありました。保護区であることを知らず、トンボを捕る気満々でやってきたご家族連れには、保護区整備に携わっている「トンボと自然を考える会」にご入会願うことを前提に、そのような場所をご案内させて頂いていました。もちろん、このことは今も続けていますが、代替地の減少は否めません。
最も変わったのは、来訪者の数です。著名な学習帳の表紙からも昆虫の姿が消えてしまうほどの「子どもたちの虫離れ、生きもの離れ」を物語るように、世の中がゴールデンウイーク入りしてからも、トンボ王国ではゆったりとした時間が流れています。ポツポツと保護区を散策される人たちは、思いがけず「本来の休暇」を満喫されているのかもしれません。
 
 そんな中、自然界はますますのっぴきならない状況に陥っているようです。この時期、各地からムカシトンボの撮影を主目的に来訪される会員さんのため、周辺の渓流をご案内しているのですが、今年はどこも個体数少なく、ついにただの一度も「なわばり争い」を見ることができませんでした。一昨年の渇水の影響とすれば、アサヒナカワトンボが例年並に見られることの説明がつきません。そのまま飲料に利用できるほどの清流でしか生きられないムカシトンボのみの減少は、水質の悪化が疑われます。だとすれば、山間地における一次産業の衰退に加え、温暖化に起因する小雨期の長期化などが原因であることは間違いないでしょう。

7Q4A4699ムカシトンボ生息地2015・5・2四万十市竹屋敷掃除谷 _Q4A4691ムカシトンボ♂なわばり飛翔2015・5・2四万十市竹屋敷掃除谷 _Q4A4516アサヒナカワトンボ透明翅型♂探雌パトロール2015・5・1四万十市竹屋敷掃除谷 _Q4A4529アサヒナカワトンボ連結2015・5・1四万十市竹屋敷掃除谷
四万十市竹屋敷 ムカシトンボ♂ アサヒナカワトンボ透明翅♂  同 連結

 実は、子どもたちの生きもの離れ対策として、トンボを守ることは、私たち生物としての人類にとっても健康的な住環境を守ることにつながるということを、しばしば依頼される自然体験メニューにも積極的取り入れようと準備していたところで、ムカシトンボはその要と考えていました。近々発生するとされている東南海大地震への備えとして、先発するとされる東海大地震の規模によっては、四国地方の救援が十分できないかもしれないとの予測が出回る中、平地の少ない高知県では山深い場所まで田畑が開墾されていて、結果的に日当たりがいい、すなわちムカシトンボが暮らせる谷川が随所に存在するところとなり、そのような場所を確認しておけば、いざというとき(自衛隊が飲料水を運んで来られない時など)にも慌てる必要はない、という論法をと考えていたわけですが…
甚だ不本意的ながら、観光地としてのみ扱われることが多い今のトンボ王国。子どもたちを始め、多くの人々に生きものの存在を好意的な捉えてもらうことが難しくなった現在、楽しさ以上に、多くの専門家から日本一のトンボ保護区とのお墨付きを頂戴した、生物多様性の豊かさやその維持管理を見て頂くという、本来の活動目的をより鮮明に発信していかねばなりません。
なお、高知県を訪れる観光客は、「豊かな自然の満喫」が大きな目的のようですが、そこに「生きものふれあい」も入るようになるといいのですが…

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イベント情報・お知らせ
トンボ王国のホームページはこちらからどうぞ
www.gakuyukan.com/

催しのご案内

第31回全日本トンボフォトコンテスト作品募集のお知らせ
閉め切り
平成29年9月30日(土)消印有効
募集要項
応募点数:1人5点まで(未発表作品に限ります)
生態部門:4切り(ワイド4切りまたはA3サイズ可)
金賞1点(賞金2万円、盾、賞状、賞品としてビーズリアルトンボセット〈特大〉ほか)
銀賞2点(賞金1万円、盾、賞状、賞品としてビーズリアルトンボセット〈中〉ほか)
銅賞5点(賞状、賞品としてビーズリアルトンボセット〈小〉ほか)
努力賞50点(賞品としてフォトコンテスト絵葉書ほか)
力だめし部門:キャビネ (2L またはA4サイズ可)
金賞1点(賞金5千円、盾、賞状、賞品としてビーズリアルトンボセット〈中〉ほか)
銀賞3点(賞品としてビーズトンボ・ギンヤンマ)
努力賞50点(賞品としてフォトコンテスト絵葉書ほか)
トンボ王国特別賞3点(盾、賞状、賞品としてビーズリアルトンボセット〈小〉ほか)
*展示作品58点(生体部門のみ)の中から入場者の人気投票で決定
通信実費として定額為替(切手可)を1人300円同封してください。
上位入賞者については、画像データの提供をお願いします(新聞掲載のため)。 詳細の問い合わせと作品の送付先:〒787-0019
高知県四万十市具同8055-5
トンボ自然公園内
公益社団法人トンボと自然を考える会 「トンボフォトコンテスト」係

ピラルクのエサやり
内容:全長2メートルのアマゾン川産ピラルクへの、スリル満点の給餌体験。
場所:四万十川学遊館あきついお・さかな館。
時間:開館日の午後4時~。
対象:入館者先着10名。
参加費:無料。ただし、「四万十川学遊館あきついお」の入館料が必要)。

毎日イベント・ビーズトンボ携帯ストラップ作り&四万十川の蛇紋岩みがき
内容:ビーズで作るトンボ・アクセサリーの携帯ストラップ版(簡素化したデザインで、所要時間約30分)と、磨くほどに輝きを増す四万十川の蛇紋岩みがき(所要時間約30分)。

日高村トンボ観察図鑑ができました
 この春、高知県日高村(高知市の西方、車で30分ほど)より、同村内でこれまでに記録されている73種類のトンボを紹介した標記ガイドブックが発行されました。本体A-5版160ページで、解説を本会の杉村光俊常務理事が担当したご縁で、本会でも販売させて頂いております。実寸大での生体標本画像と、和風の体色解説が大きな特徴です。
四万十川学遊館あきついお売店にて税込み1,000円で販売中、送料360円で郵送も承ります。日高村からの預かり部数は300弱、ご購入を希望される方はお早めお求め下さい。

『中国・四国のトンボ図鑑』 割引頒布について
トンボと自然を考える会の会員の方を対象に割引頒布を実施させて頂いております。
税込み価格3,675円のところ、あきついお四万十川学遊館・売店コーナーでは税込み価格3,150円でお分けさせて頂きます(ご購入の際には、必ず会員証をご提示下さい)。
また、宅配を希望される方は、税・送料込み3,400円とさせて頂きたく、必要額を本会郵便口座(01630-5-35218)にお振込み下さい。1週間ほどでお届けできます。

「ネーチャーフォト研究会」メンバー募集中
トンボと自然を考える会会員、または四万十川学遊館年間パスポート所有者を対象として、トンボ自然公園内で見られるトンボや花などの撮影案内、作品展示会(年1~2回)、研究会会員の撮影技術向上と親睦を深めることを目的とした勉強会等を行います。
撮影されたい動植物の時期や場所の問い合わせへの対応、撮影時のコツ等を職員がアドバイスさせていただきますので、多くの方々のご参加をお待ちしています。
お問い合わせは、トンボと自然を考える会事務局。

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プロフィール

杉村光俊

Author:杉村光俊
1955年高知県中村市(現四万十市)に生まれる。
1985年(社)トンボと自然を考える会常務理事
日本蜻蛉学会会員
トンボ生態写真家

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