ハナショウブ情報その2

画像/ハナショウブ052929日朝、トンボ王国は前夜の豪雨?ですっかり冠水していました。気になるハナショウブですが、今年の開花は、トンボ王国史上で一番遅れています。例年なら、もうそろそろ見頃を迎えているはずですが、今年は5月29日現在でまだ全体の数パーセント、本数でやっと3ケタに届いたところです。いつもなら咲き終わっているカキツバタを、まだ数百本レベルで見ることができます。保護区の入り口のアジサイが咲き始めている一方で、トンボ池の岸にはレンゲの花が咲き残っています。

池田川にキイロサナエが戻ってきました。メスは増水した流れをものともせず、産卵にやってきます。セスジイトトンボも盛んに潜水産卵を見せてくれます。日差しが強くなってきて、サラサヤンマは日陰で活動するようになってきました。

画像/キイロサナエ産卵画像/サラサヤンマ(オス)縄張り飛翔
キイロサナエ産卵サラサヤンマ(オス)縄張り飛翔

ついでですが、温暖化の申し子「台湾型ベニトンボ」の未熟成虫が、四万十市内のトンボ池で見つかりました。やはり、幼虫が四万十の地でしっかり越冬していたようで28日、市内のトンボ・ビオトープでオス・メス各1頭を発見しました。鹿児島県にまで足を伸ばさなければお目にかかれなかったトンボが、すぐ近くで見られるということは嬉しいことなのですが……。

画像/ベニトンボ(メス)未熟画像/ベニトンボ(オス)未熟
ベニトンボ(メス)未熟ベニトンボ(オス)未熟

by 杉村光俊  at 11:47 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

ハナショウブ情報

画像/ハナショウブ5月24日開催の「ハナショウブまつり」は生憎の雨天でしたが、午後からの「生き物さがしゲーム・レベル5」も含め無事に実施することができました。市商工観光課を始めとする関係者の皆さん、お疲れ様でした。実は、今年のハナショウブ開花はかなり遅れており、当日目にできたのは僅かに5輪ほどでした。ただ、咲き遅れたカキツバタやアヤメ、キショウブが結構見られ、助けられました。かなりの方が、これらをハナショウブと勘違いしてくれていたようです・・・・・・。
それはさておき、本物?のハナショウブは、27日現在での開花がやっと2ケタに届いたところです。色は白、紫、青白の3色で、この調子でいけば今週末あたりで3?4分咲きとなり、来週から再来週にかけて見頃となりそうです。

トンボの方は、タベサナエやホソミイトトンボ越冬型など春の種類が姿を消し始めたものの、キイトトンボ、チョウトンボ、コシアキトンボなど夏の種類が活動を始めており、水辺はなお一層にぎわいを増しています。

画像/チョウトンボ(オス)羽化画像/セスジイトトンボ
チョウトンボ(オス)羽化セスジイトトンボ

ところで、スタッフの草刈作業も日常茶飯事となっていますが、来園者の方から「どうしてきれいな花をつけるキショウブまで刈っているの?」と尋ねられることがあります。一言で説明させて頂くなら、「繁殖力が強い帰化植物だから」。トンボ王国の基本は、日本本来の生態系を守るということなのです。もちろん、さすがに見頃の花を切り倒す気にはなれず、花がない時を狙ってはいますが。完璧とはまいりませんが、キショウブを始め、ヒレタゴボウ、セイタカアワダチソウなど、よく目立つ帰化植物を極力排除した水辺の風景がいかに癒されるものなのか、ぜひ多くの方に味わって頂きたいものです。
なお、多くのトンボ誘致池に植えつけているスイレンも、冬の間にスタッフが腰にまで達するぬかるみに入って70%以上も間引きしているのです。この理由については、また後日。
by 杉村光俊  at 14:15 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

ハナショウブ開花

画像/ハナショウブ22日、2輪だけですが白のハナショウブが開花しました。
カキツバタの花はほぼ終わりましたが、1週間ほどすればトンボ池の周りがまた一段と華やかになります。実は、この24日に四万十市のはからいで「ハナショウブまつり」という催しが計画されていて、100名様に「ぜんざい」のサービスなどがあります。今年は天候不順などで全般に花の開花が遅れ気味ですが、主役の花が全く咲いていないという状況だけは避けられた訳で、まずは一安心といったところです。後はお天気の問題で、照る照るボウズさんに頑張ってもらうしかありません。
天気がよければ、トンボもたくさん見られます。
画像/サラサヤンマ交尾
by 杉村光俊  at 10:16 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

初夏のトンボ勢ぞろい

トンボは夏から秋にかけて見られるもの、とお考えの方は少なくないでしょう。実は、四国地方でトンボの種類が一番多いのは5月下旬から7月中旬にかけてなのです。トンボの旬は3回あって、先ずゴールデン・ウィークを中心とする「春のトンボ」シーズン。次に、梅雨明けからお盆にかけての「夏のトンボ」シーズン。最後は10月中旬から11月上旬にかけての「秋のトンボ」シーズン。

画像/ヤマサナエ(オス)未熟捕食画像/タベ老熟(オス)
ヤマサナエ(オス)未熟捕食タベ老熟(オス)
画像/アサヒナカワトンボ(オス)画像/コフキヒメイトトンボ♂
アサヒナカワトンボ(オス)コフキヒメイトトンボ(オス)

つまり5月下旬から6月上旬は、サラサヤンマやヤマサナエなど初夏に活動する種類を中心として、タベサナエやアサヒナカワトンボなど春のトンボから、コフキヒメイトトンボやショウジョウトンボなど夏に活動するトンボまで、一緒になって飛び交っている、というわけなのです。この時期、トンボ王国では40種ほどのトンボが活動しており、観察道を30分くらい歩くだけで約20種類のトンボを見ることができます。

画像/ショウジョウトンボ♂画像/ハラビロトンボ交尾
ショウジョウトンボ(オス)ハラビロトンボ

画像/ミドリガメ(子供)トンボ池ではトンボだけではなく、アメンボやメダカなどもたくさん見られますが、この季節とりわけ人気なのは帰化ではありますが、ミドリガメことミシシッピー・アカミミガメの子どもです。よく、スイレンの葉上で甲羅干しをしています。日本本来の生態系を大切にしているトンボ王国では特にというより、全く不要な生物なので持ち帰りO.K.としています。ただし、サルモネラには十分気をつけて欲しいと思います。
画像/赤スイレン+コフキヒメイトトンボ花の方は、スイレンが見頃を迎えています。赤、白、黄色のほか、赤と白が自然交配したと思われる薄ピンクもそこここで見ることができます。また、「あきついお四万十川学遊館」裏のトンボ池と、右手の谷奥に広がる湿地保護区では、アサザが満開となりました。スイレンと共に、昼下がりにはしぼんでしまうので、鑑賞されたい方はお昼前までにお越し下さい。

画像/湿地保護区画像/アサザ
湿地保護区アサザ

スタッフと雑草との戦いも本格化してきました。17・18両日には保護区の中央を流れる池田川のヤナギモの間引きを行いました。水面が明るくなると、早速セスジイトトンボのカップルが産卵にやってきました。なお、現在5・7ヘクタールある保護区の管理は、主に3名のスタッフだけで対応しています。求む、ボランティア!

画像/川掃除1画像/川掃除2画像/セスジイトトンボ連産
セスジイトトンボ

最後に、気になる話を一つ。作業中に池田川の土手でスミレの花を数輪見つけました。4月下旬には終息していた筈です。それでなくとも、今年のスミレの開花は遅れ気味でした。この冬が余りに暖冬だったがために、冬の寒さを感じる期間が短か過ぎ逆に、春の訪れをはっきりと感じられなかったのではないかと考えていますが、どうでしょうか。何れにせよ、季節外れの花は遺伝子を残すことが困難な筈で、最終的には種全体の存続にも影響が出てくることでしょう。コツバメやツマキチョウといった春の蝶がかつてない位に少なく、斉一的でなければいけないタベサナエやトラフトンボなど春のトンボの羽化がだらだらと1ヶ月以上も続いたなど、これまで経験したことがない観察記録が増えています。やはり四季の変化がはっきりしている地域で暮らしている生物にとっては、一定の暑さと寒さが不可欠なのだと感じずにはいられません。
by 杉村光俊  at 13:19 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

四季咲きカキツバタ満開

画像/四季咲きカキツバタ
トンボ王国には一年に4?5回も開花する、四季咲き品種のカキツバタが栽培されています。1986年にトンボ誘致池作りが始まった時、四万十市内の園芸店からご寄贈頂いたもので、当初は10株ほどでしたが、今では300株ほどに殖えています。通常のカキツバタはそろそろ見納めといったところですが、替わって四季咲きが見頃を迎えています。通常のものに比べると花は少し小振りですが、花茎が長いのでよく目立ちます。今月末には一旦終息するものの、7月中?下旬、10月中旬、さらに一部が12月にも開花します。この予備知識があれば、時期はずれのカキツバタを目の当たりにしても面食らわずに済むでしょう。

トンボの方は、タベサナエなど春一番に活動を始めた種の一部で盛りを過ぎた感じですが、新たにコヤマトンボなどが現れ、ますます賑やかになってきました。モートンイトトンボやサラサヤンマの生殖活動も始まっています。

画像/モートンイトトンボ交尾画像/サラサヤンマ♂パトロール
交尾中のモートンイトトンボパトロール中のサラサヤンマ(オス)


by 杉村光俊  at 10:54 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

川を旅するヒメサナエ

画像/佐田の沈下橋 画像/ヒメサナエ(オス)羽化1

トンボ王国から車で15分ほどの所に、四万十川の人気スポット「佐田の沈下橋」があります。ここは同時に、ヒメサナエ羽化の好観察地でもあります。渓流で生殖活動を行うものの、幼虫は川を下りながら成長、中流域の砂溜りで羽化を迎えるという、「川の旅人」とでもいうべきトンボです。佐田の沈下橋から最も近い生殖水域は30kmほど離れた支流で、他の河川でも生殖水域と羽化場所が10kmほど離れていることが珍しくありません。もちろんこの間、流れる水は一定の清浄度が保たれていなければならず、ヒメサナエは河川の距離的清浄度を測るバロメーター的存在、と言えるでしょう。そのヒメサナエの羽化が5月8日、今年初めて観察されました。ここ10年ほど、G.W.には最盛期を迎えていたので、今年は少し遅れ気味です。とは言いながら、1980年代の羽化最盛期は5月20日前後だったことを思えば、やはりここでも「温暖化」を感じずにはいられません。

画像/ヒメサナエ(オス)羽化3画像/ヒメサナエ(オス)羽化28
ヒメサナエ(オス)羽化

by 杉村光俊  at 13:03 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

ウツギ通り

トンボ王国の一角に「ウツギ通り」と名づけられた小道があります。文字通り、○○ウツギという名前の潅木が周囲に繁茂していて、マルバウツギとコガクウツギが山崖を白く彩り始めています。

画像/コガクウツギ画像/タニウツギとクマバチ
コガクウツギタニウツギとクマバチ

よく見ると、蝶やハナカミキリといった昆虫がたくさん吸蜜に訪れています。なお唱歌「夏は来ぬ」に登場してくる「卯の花」こと、正真の?ウツギが開花するのはもう少し後になります。
トンボ池ではカキツバタを始め、キショウブ、スイレンが花盛りで、これらに止まって翅を休めているトンボの撮影が楽しめます。

画像/キショウブとヨツボシトンボ画像/ウマノアシガタとモノサシトンボ(オス)画像/クロセセリ(メス)
キショウブとヨツボシトンボウマノアシガタとモノサシトンボ(オス)クロセセリ(メス)

by 杉村光俊  at 13:02 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

ナンジャモンジャ満開

画像/ヒトツバタゴ(ナンジャモンジャ)
すっかり(アメリカ)ザリガニ釣り場と化した多目的広場のジャブ池近くに「ナンジャモンジャ」という木が植えられていて、2・3日前から真っ白い糸のような花を枝一杯に咲かせています。平成8年の成人式記念植樹で、「ヒトツバタゴ」が本名。現在の樹高は4?5mといったところですが、20?30mにもなるそうです。

画像/コフキヒメイトトンボ(メス)未熟真夏を思わせるほどの暑い一日となった5月3日。トンボ王国のトンボは一気に20種を超えました。この日、初見日を迎えたのはトンボ王国最小種のコフキヒメイトトンボを始め、セスジイトトンボ、モノサシトンボ、サラサヤンマ、オオヤマトンボの5種。

画像/セスジイトトンボ(オス)捕食画像/モノサシトンボ(メス)未熟画像/オオヤマトンボ(オス)パトロール
セスジイトトンボ(オス)モノサシトンボ(メス)オオヤマトンボ(オス)

毎年のことながら、オオヤマトンボはいつの間にか羽化していたようで、成熟オス2?3頭がパトロールを始めていました。前日の5月2日にはコフキトンボも羽化しており、現在、とんぼ王国で活動中の成虫は25種となっています。ヤマサナエや、コヤマトンボなども既に羽化しているかもしれません。ヒメコウホネ池では、クロイトトンボが花の茎をつたって盛んに潜水産卵をしていました。

画像/クロイトトンボ潜水産卵1画像/クロイトトンボ潜水産卵2

画像/アサザ花の方はカキツバタが満開、スイレンも赤が3ケタ、白はもう数えたくないくらい咲いています。「あきついお四万十川学遊館」裏のトンボ池では、アサザも咲き始めました。

by 杉村光俊  at 14:55 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

絶滅危惧種、登場!

白ヶ谷トンボ王国一の稀種はと問われれば、即、モートンイトトンボと答えます。現在、高知県内の確実な生息地としては他に数ヶ所が知られるのみ、四国でも高知県外では徳島県内に1ヶ所という厳しさです。当然ながら高知県版レッドデータブックでは上から2番目、絶滅危惧?B類(EN)にランクされています。全国版でも準絶滅危惧(NT)とされており、全国的に減少している種ということからご理解頂けると思います。
そんなモートンイトトンボも1970年代には四万十川下流域で普通に見ることができました。というより、当時は休耕田の湿地化でむしろ生息地は増加していた位でした。しかし、1980年代に入ると、これらの草原化や埋め立てにより、生息地は一気に減少してしまったのです。四国から絶滅してしまったと考えられているトンボにベッコウトンボがありますが、この次に危ない種の1つがモートンイトトンボであることは間違いありません。
画像/モートンイトトンボ(メス)未熟画像/モートンイトトンボ(メス)捕食画像/モートンイトトンボ(オス)捕食
モートンイトトンボ(メス)未熟モートンイトトンボ(メス)捕食モートンイトトンボ(オス)捕食

トンボ王国では保護区の一部をモートンイトトンボ専用区として、その存続に尽力しています。そして、今年も無事羽化が始まりました。4月30日には10頭程を確認、5月中旬にピークを迎えますが、果たしてどこまでその数を伸ばしてくれるのか期待と不安が交錯しています。

おまけ
カキツバタに止まるヨツボシトンボ
画像/カキツバタに止まるヨツボシトンボ
by 杉村光俊  at 12:07 |  トンボ王国最新情報 |  comment (1)  |   |  page top ↑
イベント情報・お知らせ
トンボ王国のホームページはこちらからどうぞ
www.gakuyukan.com/

催しのご案内

ピラルクのエサやり
内容:全長2メートルのアマゾン川産ピラルクへの、スリル満点の給餌体験。
場所:四万十川学遊館あきついお・さかな館。
時間:開館日の午後4時~。
対象:入館者先着10名。
参加費:無料。ただし、「四万十川学遊館あきついお」の入館料が必要)。

毎日イベント・ビーズトンボ携帯ストラップ作り&四万十川の蛇紋岩みがき
内容:ビーズで作るトンボ・アクセサリーの携帯ストラップ版(簡素化したデザインで、所要時間約30分)と、磨くほどに輝きを増す四万十川の蛇紋岩みがき(所要時間約30分)。

『中国・四国のトンボ図鑑』 割引頒布について
トンボと自然を考える会の会員の方を対象に割引頒布を実施させて頂いております。
税込み価格3,675円のところ、あきついお四万十川学遊館・売店コーナーでは税込み価格3,150円でお分けさせて頂きます(ご購入の際には、必ず会員証をご提示下さい)。
また、宅配を希望される方は、税・送料込み3,400円とさせて頂きたく、必要額を本会郵便口座(01630-5-35218)にお振込み下さい。1週間ほどでお届けできます。

「ネーチャーフォト研究会」メンバー募集中
トンボと自然を考える会会員、または四万十川学遊館年間パスポート所有者を対象として、トンボ自然公園内で見られるトンボや花などの撮影案内、作品展示会(年1~2回)、研究会会員の撮影技術向上と親睦を深めることを目的とした勉強会等を行います。
撮影されたい動植物の時期や場所の問い合わせへの対応、撮影時のコツ等を職員がアドバイスさせていただきますので、多くの方々のご参加をお待ちしています。
お問い合わせは、トンボと自然を考える会事務局。

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プロフィール

Author:杉村光俊
1955年高知県中村市(現四万十市)に生まれる。
1985年(社)トンボと自然を考える会常務理事
日本蜻蛉学会会員
トンボ生態写真家

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